東京電力 —自分達を過信しすぎた企業

Publié le par francemedia

2011年3月16日付 仏 ル・モンド紙 

 

 日本を襲う原子力危機では世界4位の電気生産を誇る東京電力にその矛先が向けられている。

1951年に民営化で発足した東京電力は日本列島東北部で危機にある4つの原子力発電所を運営しており、東京を含む9つの都県に電力を供給し、ニューヨークとロンドンに支社を持つ。

2009年度会計では28万世帯に29万187ギガワットを販売し、400億ユーロ(約4.4兆円)の売上げを記録している。

 

 巨大な影響力を持つ同社は国内他の電力会社よりもサービスが良いとされ、能率の良い電力配給は有名で世界で最も低い停電率を誇る。

この消費者の信頼が技術者には魅力的で、最も優秀な人材が同社に就職を望む。

 

 この「機械」には大きな欠点がある。それは、重大な危機が迫った際に上手く作動しなくなることだ。

福島第一原発の1号機に問題が連続して起こった際の対応がその悲しい例だ。東京電力はアメリカと国際原子力機関(AIEA)からの応援を、3月12日に起きた最初の事象の段階で断ったという。

また、連続して起きた事象の報告の遅れ、難解な記者資料、そして積み重なる質問に対して同社の返答がない状態が続き、ついには政府を苛立たせることになった。

 

15日朝、菅直人首相自ら東京電力本社を訪れ、同社の幹部達と非常に激しい会話が交わされたと現地マスコミは報道している。

「テレビ各局が爆発を撮影しているのに、なぜ政府に報告するのに1時間もかかるのか?」と首相は非難したという。

 

「覚悟を決めろ」

ある情報筋によれば管首相は、一連の問題の処理を子会社の社員に任せて自社の社員のほぼ全員を現場から退避させた東電の姿勢を厳しく責めたという。

「あなた方が唯一の責任者だ。原発を離れることは有り得ない。覚悟を決めなさい。もし今退避すれば東京電力はおしまいだ。」と首相は述べたという。

 

管首相の怒りは東電清水社長の記者会見の後に起こった。この会見はすぐに批判の的となった。

責任者達が週末中記者達の対応に追われながら「調査中です」と繰り返し続けていたのに、最初の問題が発生してから29時間後に社長は会見を決めたのである。

 

 東京電力は情報改ざんの前科があり、それを習慣としていたようだ。20年間に渡り政府による定期点検報告に計200以上の虚偽の記載をしていたことが発覚し、2002年に社長を始め幹部が辞任している。

2007年には、1978年から2002年までの間19の重大とみられる事象を含む97の事象について担当官庁へ報告しなかったことを工業・原子力安全庁(NISA)が明らかにした。

この事件では国内の10の電力会社が関係していたが、そのうち東京電力が最も批判された。

 

 これらの前歴と戒めは東京電力の体質を変えることはなかったようだ。

2007年7月マグニチュード6.8の地震が起きた際、東京電力は柏崎刈羽原発の火災と放射能漏れについて報告が遅れ、新たに批判が集中した。

広報の不透明性は国民の不信を買い、新たに原発を再起動するのに21ヶ月かかった。

 

 今回、多くの国民が同社の姿勢は受け入れられないと感じている。僅かに残っていた信頼は完全に消え去るだろう。

 

記事本文(フランス語)↓

http://www.lemonde.fr/japon/article/2011/03/16/tepco-une-entreprise-trop-sure-d-elle-meme_1493754_1492975.html

 

 

 

 

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