東電 アレバ社による汚染水浄化案受け入れる

Publié le par francemedia

4月21日付 Le Monde

 

 21日付ルモンド紙によると、福島原発汚染水の処理に関して、東京電力は仏アレバ社による浄水装置の提供に合意することになった。汚染水の具体的な浄化方法については「汚染水に化学薬品を注入することで、放射性物質を水底に沈殿させる」とアレバ社アンヌ・ロベルジョン社長は説明する。この作業により水中の放射能は千倍から1万倍まで薄まり、処理後は原発冷却系統に再利用することができる。
 この技術はフランスの原子力研究者達により考案されアレバ社が技術開発したもので、すでに国内の原子力施設(ラ・アーグ、マルクール)で使用されている。フランス原子力庁(CEA)のベルナール・ブーリ廃棄物管理プログラム長によれば、この技術の効果はすでに「実証済み」で、「主な問題点はすでに破損している原発施設に浄水設備を設置することだが、処理された後に残る放射性の泥は汚染水を管理するよりも簡単だ」という。
 浄水作業は5月末から6月初めを目処に開始される予定だが、そのためにはフランスから送られる「大容量の浄水設備」を原発内に設置する必要がある。さらに処理する汚染水はフランスで行われた浄水作業の際よりも大量に及ぶため、「世界で初めてのオペレーション」とロベルジョン社長は語る。
 ルモンド紙によれば、この浄水作業には「もう一つの困難」が予想されるという。原発施設から溢れ出ている汚染水は冷却作業に使われた海水を一部含んでおり、ナトリウムが多く含有している。CEAのブーリ氏は「半減期が30年のセシウム137を取り除く事が優先だが、セシウムはナトリウムと同族の分子構造を持っている」ことで、注入される浄化物質がセシウムではなくナトリウムを吸収してしまう可能性もある。
 アレバ社はフランスの水関連企業ヴェオリア・ウォーター社との共同で毎時50トンを目標に処理を開始したいとしている。現在7万トンの汚染水が原発敷地内にあり、毎日600トンずつ増え続けている。さらにアレバ社は燃料の処理についても東電と協議しており、以前強い余震が続く中で新たに3月11日の巨大地震と同じレベルの地震が発生した場合、貯蔵プールが溢れ出す可能性がある。「貯蔵プールにある燃料棒を出来るだけ早く安全な場所へ移動させる必要がある」とロベルジョン社長は語る。
 汚染水処理にかかる費用については「緊急事態」ということを鑑み、現時点では日仏間の契約内容は協議されていない。また、ロベルジョン社長は原子力の基本原則として「保安、安全、透明性」を強調してきたが、今回の事故における東電側の対応についてはコメントを控えている。

"Tepco accepte l'assistance d'Areva pour décontaminer la centrale de Fukushima", Le Monde, 21/04/2011
 




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