福島原発 危機収束を不確かにする新たな報告

Publié le par francemedia

5月15日付 Le Monde

 15日付ルモンド紙は、福島原発1号機の不安定な状況により、東京電力は「危機収束までの工程表を再検討せざるを得ない」と伝えている。14日、事故発生以来初めての死者が確認された。犠牲になったのは技術者の一人で、復旧への努力が続けられる作業現場の環境が想像を超えたものであることが伺える。12日、1号機内の水位計の復旧により、冷却水の水位が想像以上に低下していることが明らかになった。この報告を受けて、「圧力容器の貫通という仮説が再浮上した」とルモンド紙は語る。


 事故発生当初から東電は1、2、3号機の燃料棒が破損し部分的に溶融していることを示唆してきたが、現時点で「1号機の燃料棒の大部分が溶融し、炉心を囲む圧力容器底部に溜まっている」と見ている。同紙によると、日本の専門家達はこの「少量の溶融した炉心が燃料棒の金属部分と混ざることでコリウムというマグマを形成し、核反応をコントロールする制御棒が出入りする結合部分を通して圧力容器から流れ出した」可能性を指摘しているという。東電は12日、コリウムが圧力容器底部に穴を空けた可能性を認めており、同紙では「(空いた)穴あるいは気密性を失った結合部分から高度の放射能を帯びた冷却水が流れ出している可能性がある」と見ている。

 

 炉心溶融と圧力容器の貫通が確認されれば、これらの事象は事故発生当初に発生したものと推定される。東電は「冷却水が残っている圧力容器の温度は100度から200度に保たれており、底に溜まったコリウムの温度は低く、圧力容器に新たな破損はもたらさない」と発表している。ルモンド紙の取材に応じたフランス原子力庁(CEA)のクリストフ・ベアー局長は、「コリウムが圧力容器に穴を空けたとしても、原子炉の基盤になっている厚み7メートルのコンクリート製の土台を貫通せず、その上部に溜まっているようだ」と述べている。新たな環境汚染の危険性について、同紙は「冷却水の漏出によって発生している環境汚染は現状と変わらない」と分析する。

 

 13日未明海江田万里経済産業相は、事故収束まで6ヶ月から9ヶ月と想定している東京電力の工程表を再検討する必要性を述べた。フランスの原子力専門家によれば、「例え圧力容器から水が漏れていても、注水量を増やすことで原子炉の冷却系統を機能させることは可能」という。CEAのべアー局長は「コンクリート製の建物枠組建設などの解決法を考える前に、正確な現状把握が必要」と強調する一方で、放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のティエリー・シャルル工場局長も「原子炉のより正確な状況把握が出来ない限り、不透明な状態が続くだろう」としている。さらにシャルル局長は、「圧力容器のからの漏れが予想されるデータと圧力容器の内部気圧が外部気圧よりも上昇していることを示すデータが介在するなど、矛盾した情報が幾つかある」と指摘する。

 

 東電は2号機と3号機でも同様の事態が発生している可能性を懸念している。特に3号機は3月13日に大きな爆発を起こしており、「日本ではこの爆発は明らかな核爆発だったと見なす専門家達もいる」と同紙は述べる。11日、東電は3号機から出た汚染水の一部が海へ流出したことを発表した。

"De nouvelles données remettent en cause la sortie de crise à la centrale de Fukushima", Pierre le Hir et Philippe Messmer, Le Monde, 15/05/2011





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