反原子力の声強まる日本

Publié le par francemedia

5月20日付 Le Monde

 20日付ルモンド紙は、福島原発事故の終息が願われる中、日本における原子力の必要性と今回の危機に対する政府の対応が再び疑問視されていることを伝えている。同紙によると、東京大学を始めとする各界の学者達が日本政府による放射線測定とその測定条件について疑問を投げかけているという。地上18メートルの場所で行われている放射線観測は人体による被曝を計る上で適当でないという声も多く、「再び日本の原子力産業、監督官庁、公権力の関係が問われる」と同紙は分析する。

 原子力を中心とした日本のエネルギー政策を再検討する意思を明らかにした菅直人首相は、18日、「原子力エネルギーは使用され続ける」と改めて発言した。管首相は原子力維持の条件として、「原発施設の管理よりも原子力推進に力を注いで来た原子力安全・保安院とは独立した」第三者機関による厳格な安全管理を挙げているが、「この発言は原発推進派の不満を押さえることが目的」とルモンド紙は分析する。日本の原子力推進派は、今月6日の首相による浜岡原発停止要請に関して不満を表明し、日本経団連の米倉会長は「政府は無責任」と怒りを露にした。浜岡原発の事業主である中部電力の供給地域に多数の工場を持つトヨタも政府の決定に反発している。

 浜岡原発停止は日本だけでなく、アメリカ、英国、フランスの関係者も苛立たせたという。日本経済新聞によれば、「管首相の決定は、5月27日と28日にフランスのドービルで行われるG8で表明されるフランス主導の原子力推進プランに矛盾する」という。さらに日経新聞の分析員は、「3月31日のサルコジ大統領訪日は、事故への過剰な反応と放射能汚染による不要な不安を払拭するのが目的だった」と語る。

 しかし、浜岡原発停止に関する国内世論の反応はむしろ良い。62%の国民が首相の決定を評価し、反原発を訴えるデモには数千人の参加者が集まり、原発推進派は肩身の狭い思いをすることになるだろう。こうした世論の動きに対してルモンド紙は、「メディアさえも原子力と距離を置き始めている」と語る。週刊誌エコノミストは、現在発電率が1%の再生可能エネルギーを2040年までに原子炉54機分の発電量に引き上げる千葉大学の研究など、「原子力に頼らないエネルギー」に焦点を充てている。日本の環境エネルギー政策研究所(ISEP)によれば、2050年までに日本の電力消費を半分に減らす事が可能という。

 日本政府は電力の発電・送電業務の分離も検討している。来年4月の新法実施により、電気事業者は再生可能エネルギーによって発電される電気の定額買い取り制度を開始しなければならない。これにより、「日本では再生可能エネルギーが推進され、(政府などの)公式発表に拘らず、原子力はもはや優先事項ではないということが分かる」とルモンドは語る。

"La place de l'énergie nucléaire est de plus en plus contestée au Japon", Philippe Mesmer, Le Monde, 20/05/11





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