節電競争に走る日本

Publié le par francemedia

7月3日付 Le Monde ルモンド 東京特派員記事 要約 

 7月1日、日本で電力消費節減に関する法律(電力使用制限令)が発効する。しかしその有意性については日本国内でも賛否両論である。3月11日に発生した大災害で損傷した原子力発電所の停止後、この新法は東京電力と東北電力が電力供給している日本列島東部での電力使用を制限するのが目的だ。

 同法は病院や被災者避難所については適用外とし、主に契約電力500キロワットを超える企業などの大口契約者を対象に、昨年夏の電力消費量の15%を削減することを義務づけている。違反者に対しては最高100万円の罰金が課せられ、9月までの間、平日の午前9時から夜8時まで適用されることになる。

 「スーパークールビズ」作戦
 一般電力消費者に対しても、政府は節電を呼びかけている。今夏、東京電力は55.5GW(ギガワット)から最大で56.8GW、東北電力については13.7GWの電力を供給できると発表している。東電管轄地域での最大消費量のピークは60GWに達すると見込まれ、電力生産量が最大の97%に達すると警告が発せられるという。政府当局は公共スペースやインターネット上でオンタイムの電力使用量を掲示し、国民への節電をよびかけている。

 電力不足を心配する企業や公共機関はサマータイム制を導入するなどして労働時間を変更して対応を計っている。エアコンの使用も制限され、最大室温は28度に設定されている。さらに政府は「スーパークールビズ」作戦と題して、薄着や軽装を許可して暑さによる身体的負担を減らそうとしている。
 
 しかし、電力不足の危険性についてはその真偽を問う人達もいる。3月11日以降、地震によって損傷した複数の原子力発電所と火力発電所が停止され、東電は9.7GWの電力生産量を失った。だが実際のところ、計画停電が予定されていたにも拘らず、消費電力が28GWを超えない間も同社はまだ40GW分の供給力を持っていた。停電は長時間続くことはなかったが、その必要性について疑問を唱える専門家も多い。ウラン濃縮の専門家で日本における原子力使用と電気生産管理の問題点を指摘している武田邦彦教授は、「東京電力は大企業だったが、福島原発事故以降、東電が言う事を疑ってかかるのが普通になった。」と語っている。武田教授によれば、9つの独占企業によって分割された電力生産体制が電力の無駄遣いに繋がっているという。

 電力不足の脅威は日本国内で原子力が欠かせないと信じ込ませる目的があるとも言われている。過去の統計によれば、この原子力必要論は正論ではない。経済誌エコノミストによれば、日本の電力生産量は最大237GWだが、2010年の電力消費のピークは159GWで、原子炉55基の供給電力量は僅か48.8GWに過ぎない。

Philippe Mesmer
"Le Japon engagé dans la course aux économies d'électricité" 3/07/2011, Le Monde

 

 

 さらに同紙の環境欄では、福島在住の子供達の尿から1リットル当たり1.3ベクレルの放射性セシウムが発見されたことを伝えている。尿検査を担当したフランスの放射線監視団体ACROによれば、この体内汚染が3月の原発内での爆発が原因とすると、すでに放射性物質の一部が体外へ排出されたことが推定されるという。いずれにせよ、子供達が体内汚染の犠牲になっていることは確かで、東京周辺まで見つかっている放射性降下物の影響が今後さらに懸念される。

"Fukushima : Du césium dans les urines d'enfants" 3/07/2011, Le Monde




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