放射能汚染区域で新たな避難区域指定
* フランス語圏スイス日刊紙 Le Temps ウェブ版 6月30日付記事より
原発から60km以上離れた地点でも、懸念すべき高濃度の放射線量が測定された
30日木曜、福島原発から近い地域で、高濃度の放射線量が検出された4区域が新たに避難区域に指定されたことを地元の行政担当者が発表した。この決定により、福島第一原発の北西約60kmに位置する伊達市の113戸が避難することになる。
霊山町、上小国、下御国、月舘町でも、政府の定めた年20ミリシーベルトという法定限度を超えたレベルの放射線量が検出された。
家を離れる家族に対しては政府が財政援助を行うと、 地方行政担当者は説明した。
原発事故以来、原発周囲30km圏内にいた8万5千人以上もの人々が、いつか自宅に戻れることを願いながら避難している。
子供が危険な状態に
原発から62km離れた福島市内に居住する子供10人を検査したところ、尿から少量の放射能物質が検出された、と市民団体とフランスのNGO団体が発表した。
5月に6〜16才の子供たちから採取したサンプルからは、すべて1ℓ当たり0.4〜1.3ベクレルの濃度のセシウム134とセシウム137が検出されたことが、ACRO(西部放射能測定協会)のコミュニケで発表されている。ACROは、1986年のチェルノブイリ原発事故後フランスで創立された団体である。
この放射線濃度の分析は、福島の市民団体の要請で、フランスの研究所において行なわれたものである。
「この結果によって、日本の当局は、一時的に放射能を浴びた住人や汚染区域に居住する住人の内部被曝を組織的に行なうべきである」とACROは述べている。また、「日本当局が避難区域基準として規定する20ミリシーベルトという限度は高すぎる」とも付け加えた。
記事リンク:
http://www.letemps.ch/Page/Uuid/cdce9b74-a30a-11e0-96b3-c42ef48b895c/Nouvelles_évacuations_de_territoires_contaminés
ACROデータ(日本語訳あり):
http://www.acro.eu.org/