最悪のシナリオ:チェルノブイリに等しい排出量

Publié le par francemedia

 

2011年3月16日 仏 ル・モンド紙

 

不確かな現状に、様々な専門家達が今後の想定シナリオを描き始めた。

仮定や確率といった不確定な要素が多いとして慎重に捉えて入るが、みな不安を隠しきれない。

福島では状況がコントロールできないまま、原発周辺にはすでに目立った量の放射線が検出されている。

 

現在、気体中に発見されている放射線物質は格納庫が損傷した原発2号基から排出されている。

この原子炉のケースをもとに、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が可能性のある放射線被害についてのシミュレーションを行った。

 

「原発周辺は非常に高い放射線」

日本当局の報告によれば、破損した格納庫にある炉心は33%損傷している。この炉心が100%溶融した場合、48時間後に起こる危険について調べた。

100ミリシーベルトの放射線を継続して浴びた際人体の健康に影響が出始める。100~1000ミリシーベルトの間では症状はすぐには出ないが、ガンを発症する危険性が増え、特に甲状腺ガンなどが子供に多く見られるようになる。

 

この想定が現実のものになると、原発の敷地内で防護服なしの状態で被曝する量はこの1000ミリシーベルトを超す。

原子力安全院の人間健康保護局パトリック・グルムロン局長は、この量を超えると「放射線は脊髄を破壊して細胞まで到達、血小板や白血球が減少し、数週間または数ヶ月後には確実に死亡する」と語る。

 

原子力安全院は、現時点で2号機炉心の完全溶融は起きておらず、作業員は防護服などの装備を身につけているためこうした状況は起きないとするが、今後条件が悪化することも十分考えられる状況だ。

「燃料棒は冷却されると安定状態に入る。しかし今日、燃料の実際の状態さえ分からない(日本政府による情報が乏しいため)。さらに悪化すれば、(溶けた燃料が)格納庫の床まで達し格納庫の密閉状態が失われてしまうことが考えられる。」

さらに、この想定は今最も危険と言われる4号機の危険性については考慮に入れていない。

 

「現場は危険な状態」

(4号機の)使用済み燃料保管プールの状態が大変懸念されている。水が沸騰状態に入り、未だに放射性を持った燃料棒を冷やす事が出来なくなっている。

安全院の工場安全局チエリー・シャルル局長は、全ての使用済み燃料が完全に水から露出した状態になる前に冷却問題が改善されなければ、「1~2日後には放射線が流出し始めるだろう」と語る。

また、4号機の保管プールは原子炉格納庫の外にあるため(密閉状態にない)、この流出は他の1号機と3号機で検出された量よりもはるかに多くなる。

 

こうした状況が起きれば、「チェルノブイリ原発事故と同等の放射能放出が起きるだろう」とシャルル氏は語る。

さらに、高濃度放射線の放出は発電所の他の区域で行われている作業を不可能にしてしまう。

 

「現在、危険区域は制限されている」

現在当局により退避命令が出されている20キロ圏外に住む人々にとってはどうだろうか。

放射能放出から48時間後でも20キロを超えていれば大きな危険はなく、被曝量は10ミリシーベルト以下という想定結果がでている。

グルムロン局長は、「20キロ圏外については違う世界」と語る。100ミリシーベルト以下は「少量」とし人体への危険性は低く、10ミリシーベルト以下は非常に低いと判断、1ミリ以下は考慮に入らないと考えている。

 

また、福島原発での今後の展開が放射能の放出量と到達地域に影響する。

現在「放射能を含んだ雲はまず南に向かい、それから太平洋へ流れている」と安全院環境局ディディエ・シャンピオン局長は説明する。

「放出されたガスは移動を続け、雲(煙)の先端の濃度を薄くしながらも、雲の後部には放射能が集中して残っている。とさらに語る。

しかし、放射能の人体への影響は短時間のデータだけで予測することはできない。

シャンピオン局長は、「一定の時間内での被曝量が少なくても、長時間に渡り(少量でも)放射能に晒される状態が続けば健康に影響を与える」とする。

 

日本国外への影響については現在のところないと見られる。

シャンピオン局長は「日本からの距離を考えるとヨーロッパで観測される放射線量は計器が関知できるか分からないほど非常に低いレベル」と締めくくる。

 

以下図:左が放出から24時間、右が48時間後の想定

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