フクシマ以後、「原子力開発の終焉」へ向うだろう

Publié le par francemedia

Rue89ネット版より   429

 

チェルノブイリ以来、2010年ほど多くの原子力発電所が建設中だったことはかつてなかった。そのような逆説を、World Watch Instituteの報告書作成者で専門家のMycle Schneider氏が指摘し、Rue89も明らかにしている。 

フクシマの大惨事で何か変わるだろうか?「フクシマ以後の世界の原子力産業」というタイトル(仏語)で、持続する発展を専門とするこの米国のNGO団体が、チェルノブイリ25年を機に検証報告書を発表した。

(英語の報告書ダウンロード可能。以下リンクの記事内の « Telecharger le rapport »をクリック)

現在、世界で64の原子炉が建設中と公式発表されているが、中国だけでその4割にのぼる。12の原子炉の建設が20年以上前からリストアップされ、2件は12年前から建設中、その他数多くの原子炉の建設が極めて遅れている。

原子力産業界では、2000年代を原子力の「ルネッサンス」とするのが常となっている。フクシマが果たしてその傾向を覆すであろうか?


原子炉EPRの「財政的大失敗」 

チェルノブイリ以後、3カ国が原子力から離れた(イタリア、カザフスタン、リトアニア)。現在原子炉を持つ30カ国の中で、ドイツなどは他国より迅速に動いている。 

多くは明らかになっていないが、最も原子力発電に頼る6カ国(フランス、ドイツ、韓国、米国、日本、ロシア)は既に原子力エネルギーの割合を削減した、と報告書は伝えている。

そして、有名なEPR(欧州加圧水型原子炉)という次世代型原子炉の建設が「財政的大失敗」へ転換したとも伝えている。フィンランドでの建設は4年の遅れをとり、少なくとも当初の予算を9割も超過している。

  

「原子力の信頼性にとって最も深刻な事故」

報告書では3人の著者が原子力産業及び決定権を持つ関係者たちのあらゆる情報を結集し、興味深い分析がなされている。スイス銀行UBSなどは「フクシマの事故は原子力の信頼性にとって最も深刻な事故だと考えている」という。

確かに報告書の図が顕著に示すように、投資情報会社Standard&Poorsの原子力の指数の株価はフクシマ以後崩れ、一方で「無害エネルギー」の指数は高騰した。

古くから原子力に頼る国々同様、新参国もトラウマを抱えたが、その様相はやや異なる。アジアは絶好の位置にあるのだ。Mycle Schneider氏によると、「建設計画をすべて凍結するという中国政府の政治宣言は、世界の64の原子炉のうち27もの大量建設が行なわれた国であるだけに、めざましいものがあった。」 

日本はもはや原子力発電所を建設しないことは、報告者にも明らかだ。Schneider氏は20回以上の来日経験があり、日本に精通している。数年前福島県から監査を頼まれ、当時の知事に助言をしたこともある。

フクシマ以後、タイで行なわれた調査によれば、83%の人が自国の原子炉建設に反対だと答えた。

 

「テクノロジーの老人病であり、ルネッサンスではない」

関係者は原子にどのような将来を描いているのだろうか? Schneider氏は「おそらく原子力開発の終焉だろう」と考えている。「我々の報告書ではっきりと示したように、歴史的に世界で最大数の原子炉が稼働していた(現在の437炉に対して2002年は444炉)時の数字は、原子炉の寿命を全体的に延ばさない限り、現在は到達できない。その可能性も、日本の惨事が始まってから極めて縮小した。」

「そうなれば、テクノロジーの老人病であって、ルネッサンスではない。ドイツが最も顕著な例である。311日から数日のうちに、30年以上という最も古い原子炉 7炉の稼働を停止したという事実は、政治的にもはや後戻りできない。」

 

再生可能なエネルギー移行への遅れは「取り戻せないかもしれない」

2010年に初めて、世界の風力、太陽、バイオエネルギーの容量が全ての原子力発電所を合わせた発電力を超えた。再生可能なエネルギー発電(巨大ダムを除く)が原子力発電を超えるにはあと数年待たねばならないとはいえ、緑の業界はまもなく追いつくだろう。

報告書はまた、フランスではこれまで緑の党以外どの政党でも原子力賛成のコンセンサスが通用していたが、党間で初めてその是非を問う討論が始まったと伝えている。

Schneider氏は311「以前」と「以後」が存在することになると最初に警告した人物だが、氏はフランス政府が前進する様子がなく、惨事の広がりの規模を理解していないという印象を持っている。「再生可能なエネルギー分野の技術開発、及びエネルギーの効率に基づいた賢い政策に不可欠な要素の研究がフランスでは遅れている。都市計画家、建築家、高級監査官、専門職員、高性能機材分配などが不足しているのだ。」

 また、以下の点が2012年大統領選のキャンペーンの大きなテーマとなるに違いないとも指摘している。「フランス経済と特にその不動産保有量は、エネルギーの観点からは信じ難いほど非効率的だ。それに比べてドイツ人、中国人、イタリア人は再生可能なエネルギーに勢い良く乗り出したので、フランスは追いつけないほどの溝が広がっている。」

 

EDF(フランス電力)はどうするのか?

氏によれば、フランスは原子力中心の論理が「落ち目」であることを受け入れ難いのだという。

「将来の電力のシステムは全く形を変えるだろう。発電する側と消費者という概念も同じではなくなる。電気の発電−消費−保存者が何十万と生まれ、巧みなネットワークによってつながるだろう。

そのような図式の中、EDFなどの企業の役割はどうなるだろうか? 発電−分配の従来の現場において、家庭、企業、サービスが多大な部分を占めるとすれば、EDFのような企業の存在理由はどうなるだろうか? 

将来性ある方向性を見つけるために、この業界の(フランス電力EDFの)プログリオ社長や(フランスの原子力産業複合企業アレヴァ社の)ローべルジョン社長にも力を貸す時期にきている。なんといっても、納税者に尽くすのが公的企業なのだから。

オバマ大統領は20102月の連合国家に関する演説の中で、次のように宣言したのではなかったか? 

『無害で再生可能なエネルギーを制御できる国こそが21世紀のリーダーとなるだろう』」

 

(図など以下記事リンク参照)

http://www.rue89.com/planete89/2011/04/29/apres-fukushima-sans-doute-la-fin-du-developpement-nucleaire-201561
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