放射線防護原子力安全研究所(IRSN)在日フランス人向け報告

Publié le par francemedia

2011年6月8日付 IRSN 福島第一原発事故に関する報告書 No.6

注:この報告書は仏IRSNにより、在日フランス人への情報提供を目的として作成されています。今後、福島第一原発の状況が大きく変化し、周辺環境への影響に大きな変化が認められない限り、この報告書は改訂されません。 



 福島第一原子力発電所から発生した放射能排出は、主に福島県、栃木県、茨城県、そして宮城県といった国土と海域において放射能汚染をもたらした。この報告書に記載されている情報と勧告は、この長期的な環境汚染への露出を可能な限り制限することが目的である。

 福島第一原発による大気中への汚染放出は今後も続くと思われるが、住民が著しくその危険に晒されることはない。3月12日から23日の間の大気中へ排出された放射性物質は拡散し、放射性降下物と海洋汚染による食物汚染が短期的な懸念事項となった。地上環境では、葉類の野菜(茶葉を含む)あるいは野菜を原料とする製品、そして汚染された葉や飼い葉を食べた動物の母乳が最もこの放射能汚染の影響を受けやすい。現在、これらの食品の放射能汚染は全体的に減少しているが(特にヨウ素131による汚染)、今後も監視し続けられるべきである。海洋環境においては、放射能汚染が分散することで海洋動植物の汚染を引き起こしている。福島第一原発南の漁港で水揚げされたイカナゴなどの魚類から、出荷を許可されている基準値の25倍に及ぶ放射能核種が見つかっている。

 さらに、原発の周囲20キロを超えた福島県内の数カ所で放射性物質の滞留が認められ、長期滞在した場合、著しい量の外部被曝を受ける可能性がある。

 以下の勧告は日本当局によって決定されている指示措置に反するものではない。日本当局の指示は定期的に変更されており、同国厚生労働省のウェブサイトで閲覧できる。

1.日本当局による出荷制限(IRSNによるまとめ)

 以下の6つの地図は、日本当局によって出荷制限された農産物とその制限時期を色別に示したものである。地図は農産物6品目ごとに分けられ、共通した色が制限措置が取られた時期を表し、緑系色に関しては「制限なし」か「全く制限なし」とされている。(報告書オリジナル2、3ページを参照)

農産物の品目は以下の通り。

1段目左:牛乳 右:ほうれん草
2段目左:大根 右:キャベツ
3段目左:ブロッコリー/カリフラワー、右:キノコ類

2.食物消費に関する在日フランス人への勧告
 現在、日本で食料品を対象に行われている検査では、製品の汚染と出荷基準値の超過が減少を見せている。IRSNは、福島第一原発事故による放射性降下物の被害を受けた県で生産された食品に関し、注意警戒を維持することが必要と考える。

 IRSNは以下の事項を勧告する。

* 3月11日以降、消費が許可される基準値を超えた福島、栃木、茨城、宮城、群馬、埼玉、東京、神奈川、千葉の各県で生産された、ほうれん草、ハナワサキ、カキナ、小松菜、レタス、キク、キャベツ類、チンゲンサイ、セロリ、ブロッコリー、パセリなどの葉類の野菜、キノコ類、魚類(特にイカナゴ)などの生鮮食料品が日本の規制に準じたものであることを確認する。

* 生鮮食料品の産地と放射線数値に関する情報がない場合、葉類、キノコ類、魚類の消費を出来るだけ避ける。

* 上記の各県で生産された生タケノコとコゴミの消費を出来る限り避ける。

* 商品の産地と放射線数値に関する情報がない場合、事故発生以降に摘まれた茶葉の使用を避ける。

* 生乳に商品の産地と放射線数値に関する情報がない場合、福島と宮城の両県で生産された生乳を長期間にわたり子供に与えない。

水道水の消費と調理への使用制限はない。

 事故発生当時、包装されて保管されていた商品(缶詰類、乾物類、殺菌済み牛乳、ペットボトル入りミネラル水)に関しては問題なく消費できる。

 許可基準値を軽く超えて汚染された食品を一時的に消費しても、健康に著しい危険が発生するわけではない。

3.最も放射性物質滞留の被害を受けた地域に滞在もしくは居住するフランス人への勧告

 IRSNは、その程度は一定ではないものの、宮城、茨城、栃木の3県と特に福島県が福島第一原発事故による放射性降下物の著しい被害にあったと考える。

 総合的に見て、宮城、茨城、栃木の各県において、仕事あるいは重要な個人的理由のために立ち入るのに不都合はないと考えるが、次項でフランス人へ勧告されている注意事項を守ることを条件とする。しかし、放射性物質の滞留による外部被曝量は少ないものの、不要な被曝を避けるために余暇や観光目的でこの3県に滞在しないことを勧める。

 福島県北部、特に原発から40キロ以内の北西地域へ立ち入ることは、重要な放射性物質滞留(放射性セシウム60万Bq/m2)により1年間で10ミリシーベルトを超える外部被曝量をもたらす可能性があることから、勧告できない。どうしてもこの地域に立ち入る必要がある場合は、滞在を必要最短にとどめ、次項で説明する勧告を守り、滞在を大人のみに制限することが適当である。

 また、日本当局が住民避難を命じた区域に関する指示を尊守すること。これらの区域は福島原発から20キロ圏と葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町、南相馬市を含む地域である。

宮城、福島、茨城、栃木の各県に居住するフランス人に関して、日本当局による指示を尊守し、さらに以下の次項を勧告する。

* 乳幼児の食事にはボトル入りのミネラルウォーターを使用すること。

* 家庭菜園や牧場で生産された食品の消費を最大限に制限する。

* 果物と野菜を入念に洗う。

IRSNは、家屋内へ汚染を持ち込まないために以下の事項を衛生習慣とすることを勧める。

* 雨の日は靴を家の外に置く。

* 床を濡れた布で定期的に拭く。

* 定期的に家具の表面と絨毯に掃除機をかけ、掃除機内のゴミ袋を定期的に換えること。

さらに、手から口へ汚染が転移するのを避けるために、ポンプ式の容器に入ったハンドソープを使って定期的に手を洗うことを勧める。同様に、外部での遊戯の際、幼児が土壌や砂の粒子を頻繁に吸い込まないよう注意する。

 

報告書原文(仏語)↓

 

http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Residents-Japon_Bulletin6_08062011.pdf

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